高すぎる査定金額の罠

わー、1社だけ他の不動産会社よりも高い査定金額を出してくれてる。
この会社と媒介契約を結ぼうかな。

その媒介契約ちょっと待った!!

あ、あなたは・・・?

こんにちは、サコエステートの長迫です。
今回は、高額査定の罠についてお伝えします。

複数の不動産会社に売却査定依頼をするのが一般的になってきていますが、他社や相場よりもかなり高い金額を提示して媒介契約を結ぶことを不動産業界では「高預かり」といいます。

売主としては1円でも高く売りたいので高い査定金額は一見良さそうに感じますが、負のスパイラルへと陥る可能性があります。

高預かりがダメな理由




\ 売れない



高預かりがダメな理由はこの一言で完結します。

もう少し詳しく説明していきましょう。

査定価格=確実に売れる価格  ではない

いくら査定価格が高いからといって喜ぶのはまだ早いです。
不動産の査定価格とは、仲介売却において「これくらいで売れるだろう」という、あくまでも予想の金額でしかありません。

査定といえば、車の査定をイメージされる方が多いと思います。
車の査定の場合は、業者が直接買い取りをする価格を提示してくるので、買取価格が高い会社を選んでも間違いではないのです。

査定という言葉は同じでも、あくまでも予想の不動産査定価格と、買取金額の車査定価格では大きな違いがありますよね。

まずは「不動産査定価格=売れる予想の価格」ということを覚えておいてください。

不動産が売れる価格とは

不動産が売れる価格は、基本的には相場に近い価格になってきます。

これは逆の立場(買主)で考えればわかりやすいと思います。
相場通りの物件と相場よりもかなり高い物件が広告に並んでいたとします。
買主は売主とは逆に、1円でも安く買いたいという心理から、相場通りの物件を選ぶでしょう。

不動産という物は、余程のことがない限り相場に近い価格でしか売れないのです。

ちなみに余程のこととは、物件が出るのを行列をなして待つような需要と供給のバランスが崩れているエリアなどのことです。

売れるまでに時間と費用がかかる

高預かりされた物件が売れるには、相場に近い価格まで値下げが必要になるでしょう。
しかし、心情的に一気に値下げできる売主はなかなかいないと思います。
少しずつじわじわと値下げを繰り返し、結果的に相場もしくは、相場以下になり、最初に設定した価格よりも随分と安い価格での売却になります。

この間、時間だけでなく、固定資産税や住宅ローンなどの費用もかかり、結果的に売主が損をしてしまいます。

なぜ高預かりをするのか

じゃあなぜ売れない査定価格まで出して物件を預かろうとするのか、ここに高預かりがダメな理由の本質があります。
その理由とはズバリ・・・



\ 楽して媒介契約結べちゃう


1円でも高く売りたい売主と、どうしても媒介契約を結びたい業者の負の一致により、なんの根拠もない見栄えのいい高額査定でそそのかし、半ば騙すような形で媒介契約を結ぶことがこの問題の本質だと私は思います。

な、なるほど、売れないだけでなく無駄な時間と費用が発生するんですね。

高預かりは売主に対する背任行為と言えるでしょう。

高預かりを防ぐには

高預かりがダメな理由がなんとなくでもわかっていただけたでしょうか?
不動産売却では、こういったことがあると知るだけでもかなりの予防になると思います。

ここから更に踏み込んだ予防策を2つお伝えします。

査定依頼の事前に近隣相場を調べる

査定結果が適正な金額かどうか判断するには、近隣相場を知っている必要があります。
近隣相場を調べるためには、「at home」や「SUUMO」などのポータルサイトを利用したり、「不動産取引価格情報検索」で実際の取引価格を検索しましょう。

熊本市の不動産売却相場の調べ方は下記記事にて紹介しています。

熊本市の不動産売却相場を調べてみましょう!

不動産売却を成功させるための準備として、不動産売却の相場を調べてみましょう。 相場を知ることで、所有する不動産が大体どれくらいの価格になるのかイメージがしやすく…

査定の根拠を聞く

宅建業法では以下の決まりがあります。

「価額又は評価額について意見を述べるときは、その根拠を明らかにしなければならない。」

宅建業法34条の2第2項

この根拠とは、不動産を査定する際に利用した不動産流通推進センターの「価格査定マニュアル」に基づくデータや、近隣の類似取引実例のことを指します。

高い査定金額を提出された場合、喜ぶ前に一旦冷静になり、なぜ高くなったのか根拠を聞きましょう。
説明を聞いてもよくわからない場合は、当社や査定依頼したほかの業者に尋ねてみることをオススメします。

媒介契約を結んだ後も、どのような販売活動がされているか興味を持ち、チェックすることも大切です。
ちなみに私はメルカリで出品した際は気が気でなくなり、1時間に1度はチェックしますよ。

メルカリと不動産売却を一緒にすなーっ!

すみませんでした!