【熊本市・近郊】市街化調整区域でも家が建つ?『集落内開発制度(法34条11号)』を専門家が徹底解説

この記事を書いた人

長迫 康利 代表取締役

熊本で不動産売買をはじめ、賃貸・管理・新築販売など幅広い業務を経験してきました。そこで培った知識とノウハウを活かし、熊本の不動産に関するあらゆるお悩みに、最適なご提案をさせていただきます。売買はもちろん、相続や空き家のご相談まで、お客様一人ひとりに寄り添ったサポートを心がけています。

「熊本にある実家を相続したが、場所が『市街化調整区域』らしい」 「知人から、市街化調整区域の土地は家が建てられないから売れない、と聞いた…」

熊本の不動産売却、特に土地売却をご検討中の方から、こうした深刻なお悩みを伺うことが多くあります。確かに「市街化調整区域」の土地は、不動産売却の中でも特に難易度が高い案件の一つです。

しかし、もしその土地が熊本市やその近郊(合志市、菊陽町、嘉島町、益城町)にある場合、「売れない」と諦めるのはまだ早いかもしれません。

熊本都市圏には、この「原則建築不可」という重い制約を解除できる可能性を秘めた、「集落内開発制度(法34条11号)」という特別な制度が存在します。

この記事では、熊本で数多くの土地売却に携わってきた私たちサコエステートが、市街化調整区域の土地売却の「希望の光」となるこの制度について、その仕組み、自治体ごとの違い、そして売却前に必ず知っておくべき注意点を、どこよりも分かりやすく解説します。


そもそも「市街化調整区域」は、なぜ売却が難しいのか?

まずは基本のおさらいです。 私たちの街は、法律(都市計画法)によって「市街化区域」(家や商業施設を建てて、街を活性化させるエリア)と「市街化調整区域」(市街化を抑え、主に田畑や自然環境を守るエリア)に分けられています。

この「市街化調整区域」は、その名の通り「原則として、新しい家や建物を建ててはいけない」と定められています。

そのため、土地を探している大多数の方(=マイホームを建てたい方)の需要に応えることができず、売却が非常に困難になるのです。購入希望者は、農業を営む方や、資材置き場などを探している法人などに限定されてしまいます。

「集落内開発制度(法34条11号)」とは?

この「原則建築不可」の状況を打開するのが、都市計画法第34条11号の条例に基づく制度です。

これは、市街化調整区域内であっても、既存の集落(コミュニティ)の活力を維持するため、「一定の基準を満たした指定区域内であれば、例外的に開発や建築を許可しましょう」という特例制度です。

この制度の最大のポイントは、従来のような「農家の分家」といった属人的な条件(=その人だから建てられる)ではなく、「指定区域内」という場所の条件さえクリアすれば「誰でも」建築が可能になる(※)という点です。 (※熊本県(近郊)の制度では、一部賃貸目的が不可などの制限があります)

これにより、ご所有の土地が「マイホームを建てたい人」も購入できる「住宅地」として売却できる可能性が生まれるのです。


【重要】「熊本市」と「近郊(合志市・菊陽町など)」制度の違いに注意!

この「法34条11号」に基づく制度は、自治体によって内容が異なります。特に熊本都市圏では、「熊本市」と「熊本県(合志市・菊陽町・嘉島町・益城町)」で、建てられる建物に大きな違いがあるため注意が必要です。

1. 熊本市の場合:「集落内開発制度指定区域」

熊本市が独自に定めている制度です。

  • 建築可能な建物の例:
    • 戸建て住宅
    • 共同住宅(アパートなど)
    • 日用品販売店舗(コンビニ、小規模スーパーなど)
    • 店舗併用住宅(理容店など)
  • 特徴: 近郊の制度に比べ、共同住宅(アパート)の建築が認められているなど、活用の幅が広いのが特徴です。(※いずれも敷地面積や高さなどに細かい基準があります)

2. 近郊(合志市・菊陽町・嘉島町・益城町)の場合:「条例指定区域」

熊本県が条例で定めている制度で、上記4町が対象です。市街化区域に隣接・近接し、おおむね50以上の建築物が連なっている(連たんしている)地域が指定されています。

  • 建築可能な建物の例:
    • 戸建て住宅(ただし賃貸を目的としたものは除く
    • 日用品を販売する店舗
    • 店舗併用住宅
  • 特徴: 熊本市と異なり、賃貸目的の住宅(アパートや貸家)は建築できません。 あくまで自己居住用の戸建て住宅がメインとなります。
ウル蔵くん

同じ『法34条11号』の制度でも、熊本市と菊陽町では建てられるモノが全然違う。アパートが建てられる土地か、自己居住用の家しか建てられない土地かでは、売却価格も買い手も全く変わってくるんだ! まずは自分の土地がどの制度の対象か、正確に知ることがスタートラインだよ!


売却前に必須!「集落内開発制度」利用の重要チェックポイント

「自分の土地が指定区域に入っていた!これで売れる!」と喜ぶのは、残念ながらまだ早いのです。この制度を利用するには、さらにクリアすべき複数の「壁」が存在します。

チェック1:最難関!「農地法」の壁

ご所有の土地の地目(登記簿上の種類)が「田」や「畑」の場合、たとえ指定区域内であっても、家を建てるためには別途「農地転用」という許可が必要です。

特に注意が必要なのは、その土地が「優良農地(農振法における農用地区域内農地など)」に指定されている場合です。近年は農地法の運用が厳格化しており、たとえ集落内開発制度の指定区域内であっても、優良農地である場合は農地転用が認められず、結果として家が建てられない(売れない)ケースがあります。

チェック2:「災害リスク」の壁

熊本県の条例(合志市・菊陽町など)では、想定浸水深が3m以上の「災害リスクの高いエリア」も注意が必要です。

これらのエリアで開発・建築を行う場合、安全対策として「居室の高床化」や「敷地の地盤の嵩上げ」などが許可の条件として求められます。これは買主様にとって追加の建築コスト(造成費用)が発生することを意味し、売却価格に直接影響します。

チェック3:道路やインフラの壁

もちろん、建築基準法上の「接道義務」(敷地が幅員4m以上の道路に2m以上接していること)を満たしているか、上下水道やガスなどのインフラが整備可能か、といった基本的な条件もクリアする必要があります。

ウル蔵くん

市街化調整区域の土地売却は、いわば『法律のパズル』だ! 『都市計画法(集落内開発制度)』をクリアしても、次に『農地法』の壁、『災害関連法』の壁、『建築基準法』の壁が出てくる。これを一つひとつ調査して、安全に売却できる道筋をつけるのが私たちの仕事なんだ!


まとめ:熊本の市街化調整区域の土地売却は、専門家の調査がすべてです

熊本市および近郊の「集落内開発制度」について解説してきました。 「原則売れない」とされてきた市街化調整区域の土地も、これらの制度の対象であれば、売却できる可能性が大きく広がります。

しかし、その道のりは決して平坦ではありません。

  • そもそも、ご所有の土地が指定区域内か?
  • 熊本市と近郊、どちらの制度が適用されるか?
  • 農地法や災害リスクなど、他の法律の制限はクリアできるか?

これらを一般の方がご自身で調査し、判断することはほぼ不可能です。

市街化調整区域の土地売却の成功の鍵は、これらの複雑な法律や条例、そして熊本の行政ルールを熟知した、信頼できるパートナー(不動産会社)を見つけることです。

私たちサコエステートは、熊本の地域事情に精通した地元の不動産会社として、「売れない」と諦めていた土地に新たな価値を見出し、お客様の不動産売却を成功に導いた実績が豊富にございます。

「うちの土地も対象になるかもしれない」「まずは調査だけでもしてほしい」 そのお悩み、ぜひ私たちサコエステートにご相談ください。専門家の視点で、お客様にとって最善の解決策をご提案いたします。

▼まずは気軽に試せる無料査定・ご相談はこちら▼
https://sako-estate.com/sell/contact/